給与明細のペーパーレス化

先日、友人から「夫の勤務先が給料明細をWEB(電子)化したから、明細書を持って帰られなくなった。これって労働基準法違反とかにならないの?」と質問を受けました。労働基準法では賃金台帳の調製は義務付けられていますが、給与明細については義務付けられていません。なので仮に給与明細が作成されていないとしても、友人の問いの「労働基準法違反」にはあたりません。一方、健康保険法・厚生年金保険法・労働保険徴収法で「事業主は保険料を控除したときは保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない」と定められています。この「計算書」が給与明細にあたると思いますが、通知方法は定められていません。WEB(電子)での通知を行っているので通知義務は果たしているのでは。…と友人へ答えた後で給与からは所得税も控除するな、これはどうなのだろう?と思い、国税庁のHPで調べたところ所得税法では明細書の交付義務があり、一定の要件(電子交付への同意や書面への出力が可能など…)の下で電子交付ができるとの事でした。結局、友人のご主人は勤務先の給与明細電子化に同意した上で、明細書をダウンロードや印刷ができるのにしていなかっただけという顛末でしたが、友人の質問のお陰で勉強になりました。