またまた日本大学の部活で事件が発生しました。と言っても、問題となる事件が発生したのは今年2月というのですから、被害者(とその家族)以外の関係者にとっては、「何故、今頃?!」という感覚に陥っているかも知れません。
チアガールの部活で監督が女子部員に暴言を吐き、心に傷を負った女子部員が日大の体育系部を統括する組織に事実の報告と善処を求めたところ、心が軽くなる所か傷が更に深くなったという次第。訴えた組織の責任者が悪すぎる! 例のアメフト事件で解任された内田監督だったというから、「さもありなん!」という感じです。日大のハラスメント体質は異常です。組織員を「守り抜く」という姿勢が欠如しています。リスク管理が全くできていません。
組織の体質は一朝一夕には生まれ変わりません。長い間、「これで良いのだ」と信じ切ってきた思考体系、行動体系が氷河のように冷たくかつ大きな層となって組織のトップから末端の者まで染みついているからです。
昨日は、自動車会社の不正がまた報道されてきました。マツダ、スズキ、ヤマハの三社が排ガスや燃費のデータ測定で不正をしたというのです。「ブルータス、お前もか」ではありません。同業他社も不正を働き、また自社は不正を何度も繰り返してきています。新車発売でも、先に不正が露見した日産とスバルの不振が続いています。
経営者や部課等のトップ(長)は、常に自らの所属組織に、「ハラスメントを起こす素地がないか」「リスク管理力が落ちていないか」「組織員の『声なき声に耳を傾ける』姿勢はあるのか」「コンプライアンスに対する意識が希薄ではないか」等々、心を砕かなければなりません。
ある事件が発生した後に言われるフレーズがあります。「予防が大事です」。この予防があっても事件が発生すれば「短期間にスピード感を持って対処する」。そして最後は「二度と事件が発生しないように、規則やルールを組織内に再度徹底していく」。このような対策を愚直にやり続けることで組織は強くなっていくのです。