今日(30年8月3日)の日本経済新聞はその一面に、人事院が60歳以後も継続勤務する公務員の賃金を「50歳代後半の水準から3割程度減らす」方針を固めたと報じています。これはある面では凄い決定を人事院(国)は決めようとしているのです。
すでに民間企業では高年齢雇用安定法の要請から、65歳までの継続雇用が義務付けられています。公務員はこの縛りが緩かったのでしょう。また、定年前に退職して民間企業に高給で天下り(!)するルートがあった為でしょうか、定年後も勤務する人は比較的少なかったようです。
民間へ義務や負担等を押し付けてきた反省(?)から、また公務員志望者が少なくなってきたことも絡み、国も公務員の65歳までの継続雇用に本腰となってきています。
さてここからが重要なのです。幾つかの裁判によって、ある程度の目安らしきものが出てきましたが、「定年後の再雇用者の賃金水準をどの程度にすべきか」に経営者は大いに悩むのです。裁判例から8割程度であればOKとしてきた私ですが、「国は7割と言っている」ということが錦の御旗となりそうなのです。
裁判所も行政の意向を注視しています。法律のみならず、政令・省令・通達等々の名称問わず、国会や中央官庁が作成し発出した文書は、裁判官の心証を構築する為の大きな手助けとなっています。
今後は定年後再雇用者の賃金決定の目安が「7割以上」となってくる可能性が高まってきました。人事院の方針はそれ位、重い決定であると私は新聞記事から読み取りました。