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働き方改革法案への対応

 先日、厚生労働省が通常国会に提出した働き方改革に係る法案が衆議院を通過しました。徹底抗戦を主張する野党の存在もあり、参議院の審議を経て今国会の期間中に法律が成立するか微妙なところがあります。

 この法律の要旨等はメディア各社が広報しているところであり、どのような法律なのか、国民の関心が極めて高いと感じます。国民の中には、当然に企業経営者も含まれます。この法律がどのような影響を企業経営に与えていくのか、重大な関心をもって注視し続けていくことが重要です。

 おりしも、6月1日に最高裁で働き方改革に関連する重要な判決が下されました。「定年後再雇用に関する賃金引下げの妥当性」と「短時間労働者(パート等)が通常の労働者(正社員)との間に賃金格差があるのは許されるのか」という訴えに係る判決でした。結論は2審(高裁)判決を原則として認容したものとなりました。

 経営コンサルタントとしては、「当然の判決である」と思います。その一方で、正規雇用者(正社員・無期雇用)と非正規雇用者(パート等・有期雇用)との賃金格差があるのは現実としても、そのままの状態を今後も続けていくことは非常に困難な状況となりつつあるといえるでしょう。

 利益の源泉はお客であり、そのお客にアプローチするのは従業員です。従業員に正規と非正規の区分を行うことの妥当性、合理性、納得性は決して高いとはいえません。

 さて、ここから経営者はどのように対応していけばよいかについてメモってみます。結論としては、「慌てなくてもよい」が「自社の賃金を含めた労働条件の見直しに着手しておく」ことが大切と思います。従業員から「働き方改革ってどう意味ですか?」と詰め寄られたとき、「我が社では関係ない世界の話だ」と一蹴してはいけません。歩みは遅くとも、「現状から少しずつでも改善されて行っている」という認識を全従業員にもってもらうことが肝心です。

 さあ! 始めましょう! 売上増、利益増、そして三良しの経営を目指しましょう。三方良しを心掛けることが結果として、三良しへと繋がっていきます。